木曜日、常連さんから朝一番電話あり「先生、壊れました。昨日は立って寝ました。」
意味がわからないので、「どうされたんですか?何かされたんですか?」「ずっと足が痺れて痛いなぁと思ってたんですけど、明後日施術受けに行くので我慢してたんですけど、昨日草取りして完全に壊れちゃいました。座れませんん。寝れません。(横になれないという意味)」結構ひょうひょうとつらい時でも冗談っぽく話すこの方の事、私は大好きなんだけども、痛みを堪えて私に気を使わせないようにしているのが非常につらい。
しかしながら、諏訪の予約は2週先までいっぱい・・・しかたないので、夜の練習会をキャンセルして。
「夜来れますか?なんとかします。」症状を確認する中でどうやら神経性の疼痛を伴っている様子だったので、寝れない状況が続くことで悪化する可能性があった。神経系の栄養は並走する毛細血管と脳脊髄液の流れによって担保されるのだけども、睡眠がとれないとどちらも流量が減り、痛みが増えてしまう事が考えられる。
お越しいただくと、非常に小幅でちょこちょこ歩いて段差がつらい様子。ずっと立って丸くなっている。
「座るとものすごく痛くて、ふとももの後ろやおしりに移動する痛みがあるんです。」
この時に仙腸関節の問題を含む梨状筋症候群かなと予測
梨状筋症候群とは?
1おしりの外側あたりに痛みがあり、太ももも後面にかけて痺れが出る。
2座っていると、症状が悪化し歩くことで緩和する。
赤く塗ってある部分が梨状筋で、その部分が硬くなってしまい。主に坐骨神経を圧迫することで下肢に痺れが出る。
本症例の場合は寝ることで臀部が圧迫されて足に痛みが出ていた様子。また、梨状筋の硬さが周囲の静脈を圧迫してしまっていたようで、股関節周辺に浮腫も出ており、うっ血性の痛みも出ていた。本人曰く「ボールが骨盤の中に入ってる。」
この梨状筋は仙骨にも付着していることから仙腸関節不安定によって、緊張してしまいます。症状の発生要因は草取りや段差昇降や運搬動作によって発生します。
本症例では骨盤の問題が強く、木曜日は骨盤の治療をきっちり行い。仰向けでねれるようになる。
その晩はきっちり眠れたようで、とても喜んでくれた。痛みがきつかったので、昨日土曜日に股関節と神経系のモビライゼーションと頭蓋仙骨療法を行う。ずいぶん動けるようになった、助かったぁ~という言葉を頂いた。骨盤に入っていたボールも無くなったようです。
梨状筋の圧痛が完璧には取れていないのが、気になる所ですが組織の修復に期待して。また来週見させて頂く形で。梨状筋症候群は坐骨神経痛の出る疾患としてはやや稀で、私も今までで3例しか見たことがない。非常に軽傷な例も含めれば多いのかもしれませんが、座れないという方はお尻周りを少し押してみて楽になる場合はこれがやや疑わしいかもしれません。いずれにせよ、筋だけを緩ませず、骨盤の調整が必要。
座れない あしの痺れは itami-